【対談】壱城あずさ×2次試験合格者 part3
*ラストの受験に向けて*
壱:花の改善点はすごく人の目を気にすることかな。それはどこからきてると思う?
花:見られていると思うと、委縮してしまいます。やらなきゃという気持ちになってしまうと逆に発揮できなくなってしまいます。
壱:上手く見せなきゃと思うってこと?
花:はい。いつもの自然体のほうが絶対に良いのに。
壱:そうだよね。たぶん花は高校2年生の時にお母さんに教えてもらいながら踊っていた時が一番伸び伸び踊ってて、一番良い歌を歌ってたと思うのね。それが人が入ると「あの人が見てるからこうしよう」みたいななんか変なスイッチを入れてしまうんだよね。すごい察知能力あるのは良いことではあるんだけどちょっと邪魔をしてる。誰に何と思われようと私はこういう踊りをしたい、歌いたい、までいくことが出来れば、本番にもっと強い自分になれると私は思うから、周りを気にしないようにしてほしいなって思う。
花:はい。
壱:あと気になってるのが花はちょっとネガティブなところあるよね。心の声が結構ネガティブ。
花:はい。気づかれてましたか?
壱:うん(笑)。なんでなんだろう。
花:いつもはポジティブで、人に弱いところを見せられないんですけど、自分一人で考えるときはすごくネガティブになってしまって。もっと上手くやらなきゃと強く思うほど、ネガティブになっていってしまうのかなと自分では思っていて、あと一歩の気持ちが自分の中で作り切れないので、そこをもっと鍛えたいなと思っています。
壱:これからそこはすごく課題になってくると思うから、しっかり鍛えよう。
あと受験まで数ヶ月しかないけど、他にここを変えていかないとと思ってるところある?もっと上手になりたいとか、もっと強化したいところってある?
花:銀座校の夏期講習で初めて面接をしっかり見ていただいたときに、三次面接で感情を出すのが人よりも弱いと感じて、すごく苦手なんだなと。そこを緊張感のある場所でももっと一瞬で自分をどれだけさらけ出せるか、私はそこを変えないといけないなと思いました。明るいことを表現するのは自分では得意だと思っているのですが、それ以外の表現は一歩引いてしまうところがあるので、そこも出せる状態にしたいなと思いました。
壱:花はもっと自分に嘘つかないでいいよ。とにかく素直に聞かれたことに答えたら面接はとても良くなると思うよ。大好きな宝塚合格のために毎年最善を尽くして行動してきてお母さんとたくさん苦労してやってきて人よりたくさんの引き出しを持ってるんだから今の花のありのままの姿を見てもらったら、きっと試験官の先生の心に届くものはあるよ。
花:はい。
壱:高校三年生で宝塚受験を4回チャレンジした人にしか出せない言葉の強さだったり、人を感動させられるものって必ずあるから、恐れないで自分がやってきたことに自信をもってほしいと思うよ。
花はいいとこだけを見せたいって気持ちがいつもどこかにあって稽古場でもそれが見えてて、それが長所でもあるんだけど実は短所でもある。
良いところも悪いところも強いところも弱いところも全てさらけ出して心に正直にいたらもっと素敵になれるし、顔もオーラももっとキラキラしてくるよ。
花:はい。
壱:では花の一番の強みってどこ?
花:クラレスさんに入って初めて気づいたんですが、ガッツ、そしてやる気が、人一倍あると思います。そこをアピールできるように頑張りたいと思っています。
壱:花はね、何考えてるか普段はわかりやすいよね。面接で感情を出すのは苦手みたいだけど普段はよく見える。わかりにくい子もいる中で花はとてもわかりやすい。そこが強みだと思うよ。
それってお芝居するうえで大事になってくるしね。「宝塚に絶対入りたい」という気持ちを伝えるのには武器になると思うからそこを強みにやってほしいなと思う。
壱:今回4回目の受験だけど、今までたくさんしんどいことあったと思うけど一番しんどかった、苦しかったなって思うことはなに?
花:やっぱり中3のときです・・・
壱:そこか!
花:はい。私は小学校1年生の頃からずっと宝塚が好きだったので、やっと受けることできたのに一次試験で落ちてしまったので。たくさんの人に「私は宝塚を目指しています」と話していたので、落ちてしまったということが自分に重くのしかかって、プレッシャーとかものすごく感じてしまって。
壱:周りの人が落ちたことをどう思ってるんだろうとかたくさん考えてしまったのね。なるほど。そこが今もトラウマになっているのか。今も人の目が気になるのはそういうところから来てるのかもね。
花:はい。
壱:でももうその時の花とは違うよ。お母さんと一緒に頑張って三次試験の景色を見てきたり、クラレスに出会ったり。全然違う自分に生まれ変わってるんだからもう忘れていい、消しゴムで消しちゃいな。
花:はい。
壱:お母さんはすごく応援してくれてるみたいだけど、お父さんはどんな感じなの?
花:父はあまり感情を示す感じではないのですが、去年三次試験までいったことから凄く変わってきて、今までだったら「そんなの高いから行かないで」とかそういう言葉があったんですけど、今は「えー」って言いながらも金銭面を援助してくれたり、陰で「うちの娘宝塚目指してる」と言ってくれているのを母から聞くので、「私すごく大事にされてる」っていう実感がものすごくあって、それが活力となっています。
壱:お父さんとお母さんのためにも夢を叶えなきゃいけないね。そして何より自分のためにも。小学校1年生から入りたいって思ってるんだもんね。とにかく後悔ないように、合格しても、そうでなくても本当に幸せだったなと思える形にしたいよね。
花:はい。
壱:クラレスのスタジオまですごく遠いでしょ?大阪まで片道どれくらいかかる?
花:2時間半くらいです。
壱:遠いよね。遠方から通っていることで大変だなと感じることは何かある?
花:家で練習するときに「こうだっけ?こっちのほうがいいのかな?」と思ったときに近くに先生方がいらっしゃったら聞くことが出来ますが、それができないのでその不安があったりします。
壱:なるほどね。
壱:宝塚受験にはバレエ、ジャズ、課題曲、新曲、面接って5つあるけどどれが一番点数とれると思う?
花:歌です。
壱:歌なんだ!
花:小さい頃から歌に一番力を入れてきました。
壱:自信があるの?
花:はい、自信があります。
壱:バレエとジャズもクラレス大阪で2ヶ月レッスンして、そして夏期講習の前半でたくさん学んできてとても良くなってきたし、面接も今回あすかさん(遠野あすか)に色々おっしゃっていただいて変わってきたと思うので、点数取れるのは歌だけではなくなってきていると思う。
夢は大きく首席を目指してやってほしいなって思うし、私は狙えると思うよ。
花:はい。
壱:夏期講習の初日に「前に行こう!」と思ったあの勇気をいつだって、どこにいてもやってほしいなって。それを続けてやってると受験当日に必ず目立てるようになると思うから。
今は去年までの受験のときのメンタルと変わってきてると思う?強くなったと思う?
花:全然違います。強くなってきました。自分でも実感する場面もたくさんあって、去年だったら絶対こんなことできなかったなというのはすごく感じるので。
壱:どんな上手な子が隣で踊ろうが、三次面接でどんな綺麗な人がいようが、自分のメンタルは壊れない自信はある?
花:はい!
壱:本当?
花:はい!!
壱:いいぞ!!
壱:もう泣いても笑ってもラストじゃん。今思うのはどんなこと?
花:今は思いきりできる環境に自分はいさせていただいてるので、家族も私を楽しんで応援できるように、周りの人に「絶対いけるよ」って言ってもらえるような環境を自分で作って、自分が周りの人を変えていけるような。熱い想いでいっぱいなので、毎回のレッスンももう返ってこないので1秒1秒を大切にしたいです。ホテルの時間さえもどうするかをすごく考えて、もっと密に密にやっていきたいなと思っています。
*最後に*
クラレスで、銀座校でもいろんな子がいるけどどんな雰囲気を感じた?
花:すごく明るくてすごく優しい子が多くて、私もすごく溶け込みやすかったです。最初は恐る恐る話してる感じだったんですけど、後半はみんなと仲良く、いつもの学校にいるときくらい、自分から話しかけられるくらいになってすごく温かくて伸び伸びした雰囲気だなと思いました。
壱:大阪校のメンバーはどんな感じ?
花:大阪校は高校3年生が少ないのでもっとしっかりしなきゃ、お姉さんにならないとと思っています。「私は高校3年生なんだ」と自覚がすごく持てますし、もっと引っ張っていけるなと感じるところはあります。
壱:それはすごく大事かもね。もっと「みんなついてきなさい」ってやっていたら、自分もしっかりなれるし、上手になれるしね。高校3年生で試験官が欲しい人は、きっとしっかりした人だよ。
花:はい。
壱:花は末っ子?
花:妹がいます。
壱:妹がいる・・?お姉ちゃん!?
花:はい。
壱:見えない(笑)年の離れたお兄ちゃんがいるような雰囲気がある。きっとお母さんが優しいから甘えたいなっていう弱さみたいなのが見えるのかもね。もっとお姉さんっぽく、同期生を私がまとめる!っていう強さみたいな、みんなを引っ張る力みたいなのがもっとあっていいね。
花:はい。
壱:しばらく銀座校の子に会えなくなるよね。また冬期講習でお互いレベルアップした姿を見せ合えたらいいね。そして受験当日クラレスの仲間がいたら心強いよね。
花:はい。
壱:宝塚好き?
花:大好きです!
壱:なんでそんなに好きなの?
花:ふふふ・・・理由もわからないくらい好きなんです(笑)
壱:(笑)今の質問も面接で聞かれるかもしれない内容じゃん。それくらいナチュラルでいい。今何かつくろうとしてないじゃん。本当に素直に今感じたことを普通にしゃべってるじゃん。そういう花でいいとすごく思うよ。
花:はい。
壱:質疑応答って「この子どんな子かな?」ってみてるのに、それを封印して嘘の自分言ってるってそんなつまらないことないよ。
ありのまま素直に花らしく。ね。
花:はい!
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