受験ウィーク2023講師トーク
■今回の受験全体を振り返って
遠野:受験が終わりもうすぐ3ヶ月だね。前回の受験を振り返って、どうでしたか?
愛月:私は今回初めてだったので、こんなに大変なんだな・・・と改めて思いました。
全員が受かるわけではないとはわかっていたのに・・・スッキリとは終わらないものなんですね。
夢妃:私も1年通して頑張っている子たちをずっと見てきて情があって、その「全員が受かるわけではない」という痛みはこういうことかと思いました。
遠野:本当にそうだよね。毎年気持ち的には大変だよね、しーらん(壱城)。
壱城:1年で一番しんどい日ですよね。合格した子はそのまま頑張っていけばいいけれど、
落ちた子の気持ちに寄り添うから苦しいですよね、毎年。
遠野:8名合格してくれたけど、結局何人受かろうと落ちた子のことを思うと単純に喜ぶことはできないからね。
■1次試験を振り返って
遠野:受験生たちのアンケートや本人たちに聞くところによると、いつもより小さくて細かった子が多かったって特に東京の子たちが多く言ってたんだよね。
夢妃:(宝塚組も)言ってましたね。
壱城:圧倒的に男役が少ないとは言ってましたね。
遠野:そうだよね。
愛月:世の中的には大きい人が増えてきていそうなのに、そうなんですね。
遠野:愛ちゃんくらいな身長の人とか、本当に少なくなっているね。
愛月:だって、今年受かった子で一番身長高い子って私よりも低いんですもんね。
遠野:そうだね。今回全体が身長低かったようだから、例年より小さい子が1次通った印象はあったな。
■2次試験を振り返って
遠野:2次試験、(宝塚音楽学校の)当日の滞在時間がとても短くなかった?受験生たちのアンケートを見たら、
お昼には終わっている人たちがたくさんいて、過去最短だったような気がする。
壱城:みんな、振付からダンスの試験本番までが早かったって言ってましたね。
遠野:そうなると違う技術が必要になるじゃない?30分自分の時間があれば、色々振りの復習やプラン作りができるけれど、
振りがついてすぐに本番となると、これは単なる踊りの技術とはまた違う才能よね。
時々、「最終的にはそんなにすごい上手いわけじゃないけれど、最初の振り覚えと自分のものに咀嚼するのが早い」っていう子がいるけど、そういう子に有利だね。
だから今後クラレスでやる模擬試験も本番通り、振り付けたら休憩など挟まずすぐに始めよう。
レッスンでも、振付して時間を置かずすぐに人前で踊るというような練習が必要だと思う。まるで新曲視唱みたいに、ダンスも捉えた方が良いね。
夢妃:新曲ですが、クラレスのレッスンでやっているものよりも簡単だったという声が多かったです。
遠野:タイが3回も出てきたっていう子もいなかった?(笑)。新曲は真面目にやってきた人は余裕だっただろうね。
夢妃:2次試験は改めて、たった一度の本番ですからそのときに出せたもの勝ちなんですね。
壱城:うん。合格した子の中には、2次試験でまさかの自分の実力以上のものを発揮できちゃって、「入ってから心配です」って泣いていた子もいました。
愛月:(合格した〇〇ちゃん)とっても楽しそうに受験していましたもんね。そのきらきらした感じが伝わったのかな。
壱城:大事だよね。たまたま実力以上のことができただけでなくて、楽しさが試験官の方たちにも伝わったんだよ。
■3次試験を振り返って
遠野:3次試験は少し形式が変わったね。以前より大人数での雑談形式っぽさが強くなったというか。
愛月:それは受験生たち的にはどうなんですかね。
遠野:1問1答よりもみんなでわちゃっと会話したほうが緊張はしないよね。ただ普段のコミュニケーション能力は見えやすいかもしれない。
愛月:そうですね。コミュ力大切です。あと、アクリル板は細かく想定しておいて・・・本当によかったですね!やはり試験官の方の声が聞こえにくかったみたいで。来年はないと良いな、アクリル板。
遠野:ね。今回のような雑談形式が今後も続く可能性があるから、模擬の3次面接のやり方を変えないとね。
真ん中の男性2人が話すというのではなく、みんなで発言したい人がするというような。
壱城:より会話的になると思うから、準備していかなきゃしゃべれない真面目なタイプの人はちょっとつらいかも。面白味がある子は自然にやりやすい気がします。
■2023年度合格した111期生8名、どういう人が受かったと思いますか?
遠野:男役娘役4名ずつでしたが、今回のメンバーはこういうところが良かったとかありますか?
夢妃:度胸があります。本番の舞台度胸みたいなのが、どの子もなんだかんだありそうな子だなと思って。
遠野:たしかにね。それっていつどうやって身につくと思う?
夢妃:コンクールに出るのはやっぱりいいのかなと思いました。芸事以外でも人前で何かをする場を設けたりしたら良いかと。
遠野:それは良いね。まだ中学1・2年生の子たちも、今のうちに人前で何かをすることに慣れるように機会を作った方が良いと思う。
壱城:あと、今回の合格者たちは歌がうまい子が多くないです?たまたまなのか、合格者全体的に歌のレベルが高いのか。
自分が受験生のときは自分も含め、他の受験生もみんなもっと未熟だったような気がします。
遠野:確かに、近年受験生歌はうまいなあと思う。あとは・・・品かな!
愛月:上品なメンバーですよね。明るい個性でもどこか品があります。あと細い子が多かったイメージもあります。
受かったメンバーを見たときに、全体的に細身の【宝塚の受験生の細さ】を持っている印象でした。踊りが映える綺麗な体型を作るのは、第一前提として掲げていったほうがいいですね。
遠野:私たちが体型の基準をさらに厳しく考えていほうがいいね。
愛月:はい。「あぁ、華奢、折れちゃいそう」というくらいの細さの合格者が多かったですから。それにバレエの特性上、どうしてもスタイル点としても影響してしまうと思いますし。
遠野:単純に体重だけでなく、お顔が小さく見えるようにとか、全体のバランスも考えてアドバイスしていこう。
壱城:痩せすぎて頭が大きく見えてしまう場合などもありますもんね。
遠野:あとは、初受験で受かった子もいるけれど、複数回、不屈の精神で頑張ってきた子が多いね。これは私たちにとってはとても嬉しい結果!
夢妃:3次で残念だった子たちも、もう1回受験できたら・・・っていう子が多かったですね。
遠野:もっと早くクラレスに来てくれたら・・・というビジターの子とか。
壱城:本当にそうですね。大阪校でもそういう子がいました。
遠野:中3は今年もたくさん受かったから、みんなもっと早くから受験準備をしたほうがいいよね。
愛月:1回も無駄にしないほうがいいですよね。
遠野:私たちも生徒それぞれが何歳に照準を合わせるか、どう導くかの意識改革が必要だと思う。
壱城:はい。小学3年生からのプレ受験生のクラスもありますから、受験を考えている子には1年も早く準備を始めてほしいです。
一同:うんうん。(大きくうなずく)
遠野:銀座校も大阪校も年度はじめにあたって、バレエエクササイズ的なものを入れたり、身体の正しい使い方に力を入れているよね。
壱城:バレエのエクササイズは基礎的なとこをを振り返って7月までは説明を多めにしているので、夏はがっつり汗をかいて踊らせたいなと思ってます。
遠野:ダンスが得意な子も、基礎の強化は必須。夏までが勝負だね。
■今年度の抱負
夢妃:1次試験はなるべく全員受からせてあげたいと思ったので、そのためには早めにアドバイスをしていき、とにかくみんな1次受かってほしい。
それに2次のための準備はかなり細かくすることが大事だなと思いました。
新曲は難しいことを練習させておいてよかったなと思ったので、4,5月は基礎に戻ってレッスンしましたが、夏以降レベルは上げていき、自信をもって本番に臨めるようにさせてあげたいです。
愛月:私たち(講師陣)は情が出てきちゃうと「この子なりには頑張っているから」・・・と思うけれど
やはりそこはもっと突き詰めて、受かるためには言わなきゃいけないと学んだので、もっと厳しく伝えていきたいです。
あとは一人ひとりのメンタル的なところもう少し気づけてケアできたらいいな。
考え方が弱い子、マイナスに向き気味な子とか、考え方を変えられることを言えたらいいなとは思いますね。
壱城:毎年思いますけど1年あっという間なので、みんな頑張っていないとは思わないけれど、時間を有意義に使えるように、もっと効果的な努力をできるようにさせたいです。
具体的に目標設定をさせないと、後半1月過ぎたらあっという間なので、みんなが目に見えて成長できるようにスケジュールを組んであげたいなと思います。
遠野:ほんとに1年早いよね。
我々がどれだけスピードアップして考えているかで、生徒たちも影響されてくるので、定期的に生徒とコンタクトを取って、具体的なことを渡していこう。
生徒たちが萎縮せず、かつ刺激的な環境を与えられると良いよね。
私たちがどういう関わり方をしたかが大切なの。
本人たちと細かい目的や目標を共有したり、メンタル的な雑談でもいいし、話さなきゃ子供たちって育ってこないんだなって思う。
今年度も後輩たちの夢のために・・・私たち頑張りましょう!
愛月・夢妃:はい!
壱城:はい、引っ張っていきます!
遠野:また、東西でも交流できたらいいなとすごい思っている。
去年の夏期講習がすごい良かったなと思うのは、大阪校の講習がまだ開催されていなかったから、たくさんの子が銀座校に来てくれて、そこで生徒同士の刺激になることがたくさん生まれたよね。
初めて出会う子たちが一生懸命にやっているのを目の当たりにして、自分も変われるんだよね。
生徒同士も混ぜていきたいなと思うし、先生たちも混ざったほうがいいので、これからも東西交流させて色んな刺激を作っていきたいと思います!
地方在住のビジターの子も、講習はぜひクラレスに来て講師や同じ年代の子達と関わって、自分を高めて欲しい。
クラレスがみんなの成長の場になるように・・・講師一同、心を込めて良い環境を作っていこう!
一同:はい!